2009年01月05日

聖夜の奇跡~演劇鑑賞レポート~

ボクが鑑賞した演劇をご紹介する、『天のミュージカル鑑賞記』。
今回は“ミュージカル”ではないのですが、ある演劇を紹介しようと思います。

昨年12月,ボクの高校の2学期最終日に、劇団石(トル)というグループによる
“群集劇”『聖なる夜に』を鑑賞しました。

群集劇『聖なる夜に』は、海外の絵本作家,ピーター・コリントンさん原作の物語。

そういえば、この“群集劇”とは何なのか?
漢字から大体の意味は分かりますが、初めて聞いた名前だったので、調べてみると・・・

☆群集劇(ぐんしゅうげき) <Yahoo!辞書より>
主役中心ではなく、不特定の多人数でストーリーを展開していく劇。 だそうで。

今回は劇団トルのリーダー・金紀江さんの一人舞台に加え、
我が校の演劇部&吹奏楽部とのコラボで、物語が展開されました。
この物語のあらすじは・・・

<あらすじ>
主人公のおばあさんは貧しいながらも、
人だけでなく,自然にも思いやりのある優しい心を持っていた。
クリスマスの夜、長年愛用してきた「バイオリン」を売り払って,
手に入れたわずかなお金をひったくりに奪われてしまう。

ひったくりを追い掛けて,やって来た教会で、逃げてきたひったくりに倒された
聖母マリアたちの人形を元通りにしてあげる。
その直後、ついに寒さで倒れたおばあさんを助けたのは・・・


この群集劇を見たシーズン、『クリスマス』にピッタリの物語でした。

ボクも含めた,最近の若い人はあまり持っていない・・・
相手に対する思いやりの心、自然を慈しむ心を持っている、一人のおばあさんが主人公。

実は劇中でセリフがあるのは、金さん演じる,一人のおばあさんだけ。

我が校の演劇部&吹奏楽部が演じたのは、しゃべることのない自然の精たち。
おばあさんの家の暖炉の火を消してしまう“隙間風”、暖炉の“炎”、
食べ物を冷やしてしまう“氷”、冬に降る“雪”・・・何だか、不思議な物語ですよね。

セリフこそありませんが、豊かな表情や動作でいろんな感情を表現出来ていました。
短い練習期間だったそうですが・・・
ボクと同じ高校に通う生徒とは思えないほど、とても演技が上手かったです!

クライマックスでわずかなお金を奪われてしまい、ついに凍え死んでしまうおばあさん。
そんなおばあさんを助けたのは・・・あらすじが何気に暗示していますが、
おばあさんが元通りにしてあげた、聖母マリアら,人形たちですね。

おばあさんの日頃の行い、人や自然に対する優しさが報われたのでしょうか?

またこの物語では最近、問題になっている“格差社会”も描いていました。
この物語のテーマは『地球に線を引いたのは、人の世に線を引いたのは誰ですか?』

序盤は笑いありで楽しげな展開、クライマックスは感動・・・
劇団トルの演奏団、我が校の吹奏楽部の美しい演奏。
その他、BGMや照明など、随所に工夫が見られました。

思わずいろいろと考えさせられる、
とても深みがある感動の舞台でした。



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Posted by 天(てん) at 00:00 │演劇鑑賞